レナ (SSR) のバックアップ(No.36)

• フェイトエピソード?「花創の淑女」

主人公達はとある島で花売りをしていたレナと出会い、レナの「体が樹木化する呪い」を知る。
レナの呪いを解く手がかりを見つけられるかもしれないと主人公が団に誘い、同行することになった。

• フェイトエピソード?「魔力の代償」

旅の中で、一行はとある島に降り立つ。島には魔生花が群生し、人々は魔生花に呼び寄せられる魔物に悩まされていた。
レナが魔物に興味を示し、一行は魔生花の調査を始めることにした。
魔生花と魔物を追いかけ辿り着いた洞窟の中には、レナと同じ樹木化の呪いに掛かった男性がいた。魔物から逃れるために洞窟に籠っていたのだと言う。
レナは男性に「あの方(実を授けた人)」について何か知らないかと問うが、男性は何も知らないようだった。
男性は「魔物の餌はごめんだ。俺が木になったら燃やしてくれ」と言い残し、樹木へと変化して死んでしまった。
レナと同じ呪いに掛かった男性の死を目の当たりにし、主人公達の間には重たい空気が立ち込めていたが、当のレナはあまり落ち込んでいないようだった。
レナは、「いつか呪いで死んでしまうと分かっているからこそ、ひとつでも幸せでいたい」と言うのだった。

• 「魔生花」を生み出す力を持つ女性。

• レナは「乾きの島」と呼ばれる花のひとつも咲かない貧しい島の生まれで、幼い頃に本で花園を目にして以来、花や植物に焦がれるようになった。
  理由は不明だが(本人は“ロマンチックだわ”と気に留めてもいない) 、その強い憧れのお陰なのか本物と寸分違わない花を生み出すことが出来るようになったのだと言う。
  レナは魔生花を楽しみ、故郷で幸せに暮らしていた。
• ある日、悪魔かはたまた獣か分からない得体の知れない人物だとレナが評す「あの方」が 乾きの島を訪れ、「これを飲めばもっと綺麗な花を咲かせられる」と、
  レナに「実」を授けた。レナはそれを飲んだ。魔生花は以前よりも魔力を増し、美しくなったが、この実は飲んだ者を樹木に変える力を持っていた。

• 実は飲んだ者に強い魔力を与えるが、その魔力を絶えず消費し続けなければ飲んだ者を樹木に変えてしまう。
  また、魔力を消費する際に生み出す 実の魔力を帯びた魔生花は、魔物を呼び寄せる。飲んだ者が完全に樹木に変わった後、その樹木は魔物の餌となる。

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• フェイトエピソード?「花は散り」

レナの樹木化は悪化の一途を辿っていた。それと共に、レナはある島に、身の内の「実」が強く引き寄せられるのを感じていた。主人公達とレナは樹木化に関わる
何らかの手掛かりがあるのではないかと考え、航路を変更しその島に向かった。
降り立った島はレナの故郷と同様に荒野が広がる貧しい土壌を持ち、魔物が跋扈していた。探索を続ける内に魔物に襲われかけている男性に遭遇し、一行は男性を
助ける。あまりにも多い魔物の数に身の危険を感じる一行だったが、男性がこの島にある自分の家に隠れようと提案し、男性の家を目指すことになる。

男性の家の中には、夥しい数の樹木化した人間「人果」が立ち並んでいた。異様な光景にルリアとビィは絶句する。男性はこの島に住み、人果の研究をしているの
だと言う。この島には覇空戦争の時代から「人果臓器」と呼ばれる大木が存在し、それこそが樹木化の元凶であること。
人果臓器は魔力の才ある人間に実を植え付け、樹木化の呪いで脅しをかけながら強制的に魔生花を生成させる。魔生花を魔物に回収させ、持って来させることで、
自らに魔力を供給するのだ。また「実」を植え付けられた人間は魔生花を生成する度に、もともと自分が持つ魔力をもより強めてゆく。限界まで魔力を貯め込んだ人
間は、人果臓器の元に無意識のうちに引き寄せられ、魔生花を生み出すのを待たぬ内に樹木化してしまう。そうして樹木化した人果もまた、魔物の餌や、人果臓器の
魔力の一部になる。そういったサイクルで昔から今まで絶えず魔力を貪り、戦争が終わった今は目的もなくただただ肥大化していくばかりなのだ。
空の民が創り出したものなのか星の民が残したものなのかもはや定かではないが、どちらにせよ覇空戦争において魔力の貯蔵、供給に使われていたものがそのまま残
り息づいているもの、それが人果臓器なのだと。
更に、かつて男性は実を飲み樹木化に苛まれていたが、実が新たな依り代を求めていたのも手伝い、男性よりも強い魔力の才を持つ幼いレナに実を押し付け助かって
いたこと。男性の体に残った実の魔力の残滓が男性の息子に受け継がれ、幼い息子は生まれながらに「人果臓器」の呪縛を受けていること。息子を救うために研究を
続けていることが、男性の口から明らかになった。レナの言う「あの方」とは、他でもないこの男性だった。

レナは薄々感づいていたようだが、主人公達は大いに驚いた。レナの言い振りから「あの方」は人ならざる何かなのだと漠然と予想していたからだ。
「だって、幼かった私に魔生花を押し付けるなんて、獣か悪魔の所業としか思えないでしょう」「おかげで私は長いこと苦しんで、辛かったわよ。分かるでしょう？」
レナは淡々と言葉を紡ぐ。男性を責めるその姿は、普段のレナからは想像出来ない冷徹さを纏っていた。レナは「実を授けるように仕向けたのは人果臓器だったのか
もしれない。それに息子のために危険な島で研究を続けるほど慈悲深い人が、あんなひどいことを自分からするとは思えない」と畳み掛ける。
「でも、まだ幼かった私とその子…何が違ったのかしらね」笑みすらたたえた最後の一言に、主人公達と男性は言葉を失うほかなかった。
男性はレナに許しを乞う。すると、レナは意外にもすんなりと「許してあげます」と言った。「ひどいことをされた私が怒って、それであなたが謝ったのだから、も
うそれでおしまい。ね？」と。困惑する周囲にレナは「とっくの昔に、恨みなんてどうでも良くなっていた」と微笑むのだった。

レナを収穫しに家の周囲には島中の魔物がひしめき合い、襲いかかってくるのは時間の問題だった。怯える息子に、レナはひとつお願いがあると話しかけ
る。息子が応じると、レナは息子の頬に手をあて、より強い魔力を持つ自分へと息子の中の実を移行させる。息子の樹木化の呪いを引き受け、レナは家の外へと出て
行く。一行は慌ててレナを追いかける。
ふたつの実を宿したレナは、その膨大な魔力を使って無数の魔生花を生み出し、魔物を掃討する。
長い時間が経ち、全ての魔物が消え、疲れきったレナは座り込んだ。駆け寄る主人公達に感謝の言葉を告げ、レナはふいに消えた。
レナのいた場所には魔生花が降り積もり、輝くばかりだった。

• フェイトエピソード?「結んだ実は、土に還って」

突如消えたレナにルリアは酷く取り乱す。家から出てきた男性が、人果臓器に取り込まれてしまったのだろうと言う。
初めはその事実を受け止めきれない様子だったが、レナを取り戻すことも、成す術もないと悟ったルリアは、蹲り、レナが残した魔生花を集め始める。

花を集め終えると、ルリアは男性にレナの故郷は覚えているかと問うた。男性は鮮明に覚えていた。ルリアは、レナが残した花をレナの故郷に植えてあげたいと話す。
主人公達は言い知れぬ喪失感を抱えながらも、男性と息子の親子と共にグランサイファーを目指した。しかし幾度も魔物が襲いかかり、遭遇を避けつつ進もうとする
が、なかなかグランサイファーに辿り着けない。その内に、主人公達が持つレナの魔生花に魔物が引き寄せられ、更に親元である人果臓器に追い込まれていることが
分かる。ついに対峙した禍々しい姿の人果臓器は、魔物を次々と生み出し主人公達を追い詰める。打撃を与えたとしても、魔物から魔力が供給され瞬時に回復してし
まう。万事休すと思った矢先、主人公達は信じられない光景を目にする。

人果臓器の前にレナが姿を現した。虚ろな目で主人公達に杖を向けるレナ。どうやら、目の前にいるレナは、レナから奪った魔力を元に人果臓器が再錬成した魔物らし
かった。人果臓器は身を守るために、この魔物を生み出した。レナは、ルリアの必死の呼びかけにも僅かに反応する程度だった。人果臓器はレナに樹木化で苦しんだ辛
い過去を繰り返し思い起こさせ、男性に対し敵意を持つように仕向ける。人果臓器の精神操作に抗う様子を見せるも、レナはついに詠唱を始める。杖に魔力が宿り、魔
生花は風の刃となって主人公達に襲いかかる、かのように思えた。杖は真反対に矛先を翻し、人果臓器に大打撃を与えた。人果臓器は困惑し、更なる精神操作を試みる
が、レナはもう人果臓器に惑わされてはいなかった。はっきりと主人公達の名前を口にし、その顔には見慣れた笑みが浮かんでいた。果たして主人公達は力を合わせ、
人果臓器を討ち倒す。

人果臓器が消えた後もレナは残ったままだった。状況が飲み込めていない主人公達に、レナは自分はおそらく魔物になってしまったのだと告げる。とはいえ以前と見た
目も変わらず、変化は実感できなかった。レナは自分の体の樹木化が完治していることに気づく。魔力を供給する「花畑」から、今は亡き人果臓器を守る「魔物」へと
生まれ変わったレナは、樹木化の呪縛からついに解き放たれたのだ。
人としての体は魔生花と化し失われ、魔物として生きることになったレナ。樹木化の呪いを解いた代償はあまりに大きかった。「誰かの幸せのために花を咲かせられれ
ば、それで良いの。それになにより、団長さん達と旅を続けることもできるし…私、幸せよ」「だから、あらためて、これからもよろしくね。団長さん」
周囲が受けた衝撃に反しいつもと変わらない穏やかさでそう言うレナは、仲間と共に再びグランサイファーへと乗り込むのだった。